感動セッションでは、セッションが行ってきた内容、対話の進展、参加者の声などを、貴重な客観データとして活用し、「人間」や「感動」そのものについて、実証的に考えていけるよう、様々な分析を行っています。
長期に継続しないとできない蓄積情報をAIが読み込み、行った分析を広く生かしていく。分かったことは常にオープンにしていきますので、ご参考ください。みなさんからのフィードバックもお待ちしています。
感動セッション 6年間の実践から見えた構造と変化
Ⅰ.感動セッションとは何をしてきたのか(構造要約)
感動セッションは、6年間・200回規模の継続開催を通じて、
通常のイベントやトークセッションとは異なる構造を持つことが明確になった。
それは
「生身の人間の語りを起点に、異なる次元を同時に接続する場」
である。
テーマ・専門・立場・価値観をあらかじめ整理せず、
人が実際に生きてきた経験・実感・問いを、そのまま場に持ち込む。
すると場の中で、
個人の体験
社会・世界の構造
歴史・倫理・技術
日常と未来
が、意図せず同時に立ち上がる現象が繰り返し起きてきた。
これは議論でも討論でもなく、
「意味の揺らぎと再編成」が自然発生するプロセスである。
その特長は大きく3つに整理できる。
1️⃣ 同時接続の構造
―― 生身の語り × 多次元 × インターラクション
2️⃣ 参加者側の変化の性質
―― 理解ではなく揺らぎ/納得ではなく実感
3️⃣ 共鳴を越える現象
―― 経験と価値観・領域を横断する“意味の再編成” が誘発されている
感動セッションは「情報提供型イベント」ではなく、「変化生成型プラットフォーム」である。この構造は既に、自走しはじめている。
■ セッション形式の特異性
一般的なイベントは、
・登壇者 → 参加者 という情報伝達
・テーマが固定
・論点が整理済
・事前の筋書きの中で結論が期待される
これに対して感動セッションは、構造が逆である。
◆ 筋書きがない
◆ テーマが立ち上がる
◆ 立場の異なる視点が接続する
◆ 生身の語りが中心
◆ 何が生まれるか事前に定まらない
つまりイベントではなく、場の現象である。
■ 本質的な差分
回により領域も焦点も異なるにも関わらず、次の共通現象が現れていた。
▶︎ 各人の経験に紐づく「なぜ」「なんのため」が核に浮上
▶︎ 意見よりも実感が中心
▶︎ 話すほどに構造化より解放が進む
▶︎ 聴くほどに意味づけの揺らぎが起きる
▶︎ 回を重ねるほど、抽象度が上がるのではなく深度が増す
つまり、
“話す”と“聞く”が交互ではなく同時に進む独特の現象が生まれている。これは通常の登壇式イベントや、勉強会、トークセッション、対話会とは異質である。
■ 参加者の声にあらわれた特徴
寄せられた参加者コメントを分析すると、内容の異なる回にも関わらず、言語の方向性には驚くほどの共通性が見られる。特徴は3点に整理できる。
1️⃣ 「理解」より「揺らぎ」
参加者の反応は、情報理解や知識獲得を目的としたコメントより、以下の要素が圧倒的に多い。
-
心が動いた
-
ぐらっとした
-
自分の意味が揺れた
-
何かがほどけた
-
これでよかったのか考える
-
言葉にならない
-
すごく心地よい余韻
-
持ち帰りたい
つまり、感動セッションは、「わかる場」ではなく**「揺らぐ場」**として機能している。情報を得た実感より、自分が変化している実感が圧倒的に強い。
2️⃣ 「意見」より「実感」
通常のイベントは参加者に意見を生む。
感動セッションは参加者に実感を生む。
コメントの多くは、
-
〜すべき
-
〜が正しい
-
〜という主張
ではなく、 -
〜と感じた
-
心が震えた
-
〜を思い出した
-
〜に向き合いたい
といった表現が中心だった。
意見の交換ではなく、実感の交換が起きている点は大きい。
3️⃣ 「共感」ではなく「共鳴を越える現象」
共感は
「わかる」
「似ている」
「理解できる」
という方向に働く。
だが感動セッションで見られる現象は異なる。参加者は、「自分とは全く違う領域にいるはずの人間」が強烈な思いを持っていると知り、そこに触れている。
つまり、似ている人との共感ではなく、異なる人との接触を通じて、
-
拡がる
-
つながる
-
響き合う
といった方向へ動いている。これは共感では説明できない。
接続
直結
同期
と呼ぶほうが近い現象である。
■ コメント分布の傾向
参加者コメントを情動/認知/行動の3軸で整理すると、最も顕著に多いのは「情動」である。
特に多い言葉:
-
心が震えた
-
胸が熱くなった
-
涙が出た
-
言葉が出ない
-
深く刺さった
-
動揺した
-
混乱した
-
ふに落ちた
-
あたたかい
つまり、
感動セッションは、思考 → 感情 → 行動ではなく、感情 → 思考 → 行動へと順序を反転させている。
■ 内側で起きた変化
コメントには“変化”を示す言葉が散見された。
-
距離が変わった
-
向き合いたくなった
-
見えてきた
-
一歩踏み出したい
-
始めた
-
人に話したくなる
これらは、イベント後の副産物ではなく、セッション内部で誘発されている変化である。つまり、セッションは「情報の受け渡し」ではなく、変化の誘発装置として働いている。
■ 参加者の変化は“共有”ではなく“再編成”
興味深いのは、ある参加者が話した内容が、別の参加者の内側で変化を生み、その変化がさらに別の参加者へ伝播するという動き。
これは、主従関係ではなく、対話関係でもなく、インターラクションと呼ぶのが正確。
-
話す
-
聞く
-
気づく
-
揺れる
-
再編成する
が、同時進行している。
参加者の声は、感動セッションがもたらしている本質的成果を極めて明確に語っている。それは、知識獲得でも意見交換でもなく、共感でも協調でもない。
起きていることはもっと根源的である。
人の内側で“意味の揺らぎ”が生まれ、その再編成が未来へ向かう力になる。
これが声にあらわれた本質である。(つづく)








